混合診療

一物二価 (2008年2月16日のコラムより)

本来、歯科医療に保険とか自費とかの区別はないはずです。                   けれども、歴史的経緯の後、昭和51年の厚生省(当時)の課長通知を根拠に            いわゆる「自費」の治療が存在しています。                            保険と自費の「2本立て」になっているところが日本の歯科医療制度の一番の矛盾でしょう。    患者からみて、保険適用外の診療があること自体は理解しやすいかもしれませんが、一見同じことをしているのに、保険と自費の治療費の差が材料費の差でないことは、理解しにくいでしょう。

全部鋳造冠(以下FCK)の場合、白金加金のFCKと金パラのFCKで金属の違い以外に何か違うのでしょうか? 技術に違いがあるならば、金パラのFCKは手を抜いていることになります。         少ない診療報酬の中で一生懸命治療している歯科医師もたくさんいます。             自費はより良いものだという意見もあるでしょう。                       でも、それでは保険はより悪いものになってしまいます。

医療としては、どちらが妥当なのでしょうか。

一生懸命治療した金パラのFCKは果たして悪いものですか。                    技術に違いがないならば、まさに「保険=医師・自費=商人」になってしまうでしょう。      焼肉屋では和牛とオージービーフでは値段が違います。                     多分、その差は仕入れ値の差より大きいでしょう。それが商売だからです。            保険と自費の治療費の差が材料費の差でないことはこのことと何かちがうのでしょうか。      

どちらにしても納得できるものではありません。まさに矛盾しています。

診療報酬は国が決めたもので、不当に低いのかもしれません。                  開業医は保険の不採算を自費で補っていることがわかっていますが、               患者(国民)には理解されていません。自費で診療を受ける1人の患者にしてみれば、       他人の保険分まで負担する理由が ありません。                        「保険の不採算」ということが患者(国民)に理解されなければ、「保険=医師・自費=商人」   というひとがいても不思議ではないと思います。「自費」は医科にもありますが、         歯科のような「一物二価」はないようです。

物に利益が乗っかっているようにみえる現制度では医師よりも歯科医師は国民から         低くみられるのも当然でしょう。

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